『先生、授業サボって今からデートに行きませんか?』

なんて声をかければいいのか分からないくらい桜が教室中に

動物園、公園、天王寺のホーム、あなたとただ手を繋ぎたかった

漢文がすげー面白くはならないけれどずっとあなたを見てた

髪染めていいんだ 先生のくせに最初はそれだけだったのに なぜ

相談する事すら浮かばず学食できつねうどんの大盛りを食う

重そうに籠バックを持つ 後ろから追いかけたくてたまらなかった

泣きながら大切な事を言っていた それがやけに可愛かった

変な人だったと思う 年上のくせに雑貨の話ばっかり

先生に恋人はいますかなんて女子高生なら聞けたのだろう

携帯も無い時代の恋だから 必死でカワイイ便箋巡り

非常勤講師の立場の危うさを中学教師の友達に聞く

そういえば苗字も忘れたけど白いニットが似合う人だったよね

またどこか桜がいっぱいある場所でこの人かなって勘違いする

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016:(荒)さかいたつろう

荒野でも風さえあれば帆を張れる きみは船にも凧にもなれる

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015:衛(さかいたつろう)

衛星は過去の話だ 今日こそは流星みたいに突っ込むつもり

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015:込(さかいたつろう)

込み込みでお願いします 初めてのデートはキスまでつけてください

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013:刊(さかいたつろう)

新刊が無い古本屋があるように もう恋なんてしないよノリユキ

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012:おろか(さかいたつろう) 

星ひとつ掴めないのにおろかにも夢を見たんだ輝く夢を

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011:怪(さかいたつろう)

妖怪と思えばこの世は楽になる 悪人なんていないのだから

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010:玉(さかいたつろう)

焼けていく卵が玉子になっていく 涙が乾けば明日になっていく

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009:異(さかいたつろう)

たくさんの異なる風たちの群れに揺らされているきみの黒髪

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008:ジャム(さかいたつろう)

女子たちの笑顔の底では頻繁にマグマとジャムが入れ替わるのだ

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007:度(さかいたつろう)

爪痕の残ったまくらは僕たちの甘い限度となり朽ち果てる

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