『先生、授業サボって今からデートに行きませんか?』
なんて声をかければいいのか分からないくらい桜が教室中に
動物園、公園、天王寺のホーム、あなたとただ手を繋ぎたかった
漢文がすげー面白くはならないけれどずっとあなたを見てた
髪染めていいんだ 先生のくせに最初はそれだけだったのに なぜ
相談する事すら浮かばず学食できつねうどんの大盛りを食う
重そうに籠バックを持つ 後ろから追いかけたくてたまらなかった
泣きながら大切な事を言っていた それがやけに可愛かった
変な人だったと思う 年上のくせに雑貨の話ばっかり
先生に恋人はいますかなんて女子高生なら聞けたのだろう
携帯も無い時代の恋だから 必死でカワイイ便箋巡り
非常勤講師の立場の危うさを中学教師の友達に聞く
そういえば苗字も忘れたけど白いニットが似合う人だったよね
またどこか桜がいっぱいある場所でこの人かなって勘違いする
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